Super Cruiser

ソアラ 3000GT ツインターボ

ソアラ写真91年に行われたフルモデルチェンジで登場した3代目のJZZ3#ソアラは、スポーツ路線からラグジュアリー路線へと移行しつつある曲折的な歴史の中で生まれた。とがった芽で見れば、どちらのジャンルにも属さない曖昧なモデルと揶揄する声も上がるが、実は歴代モデルの中で、もっとも優れたバランスを持つのがJZZ3#ソアラなのではないだろうか。

RVファクトリーが着目したのは、そんなソアラが生まれながらにして備えている「アダルトなスポーティーカー」としての魅力である。

ここで紹介するコンプリートカーは、2.5リッターモデルをベースにカスタムを行ったものだが、走りの実力は標準仕様のそれをはるかに超え、別次元のフィーリングを生み出すことも可能としている。

まず、エンジンに目を向けたい。
純正の2.5リッター直6ツインターボに潔く別れを告げ、スープラに搭載される3リッター直6VVTiツインターボエンジンへの換装を実行。当時からエンジンのラインアップについて不満を漏らすユーザーが多かったにも関わらず、約10年間もの販売期間で、3代目ソアラが3リッターエンジンにターボを設定することはなかった。
そんな誰もが望んだ3リッターツインターボの搭載を、RVファクトリーがメーカーに代わり成し遂げたのだ。 この2JZ-GTエンジンを選択した理由は、性能はもとより耐久性や燃費といった実用面でのデータも考慮してのこと。無闇にパワーや速さだけを求める目先だけのチューニングを行えば、愛車と長く付き合うことは絶対に難しい。手荒に扱えばメカトラブルは避けられないし、何よりオーナーが「飽き」に襲われるのも明白だ。

しかしコイツは、壊れにくくて扱いやすく、そして確実に速い!
まるで、それこそがロードゴーイングカーに求められている要素であると、強く訴えるかのようにも見えるほどだ。

走りを興味深いレベルまで押し上げている要素は、トランスミッションにもある。
純正のATを捨て、ドイツはゲトラグ社製の6速マニュアルトランスミッションを載せているのだ。実はこのトランスミッションもスープラに採用されているユニットで、もちろんトヨタ純正品。
つまり、エンジンとのマッチングや耐久性を最大限に活かしたチューニング手法を選択したということだ。スープラは、もともと溢れんばかりのパワーにハイギアードなファイナルギアを組み合わせていたため、細かく刻んだ6段変速のギアレシオがベストマッチしていた。
そのシステムを丸ごと体内に収めたのだと考えれば、ソアラの走りが一変するのは容易く想像できるだろう。また、1400Kgの圧着力を誇るTRD製の強化クラッチを組み込んだことで、確実な動力伝達も実現。グッと激しくアクセルを踏み込んでも、確実なパワーの伝達を可能としている。扱いづらさを懸念するユーザーもあるだろうが、ノンアスベストタイプなので心配はご無用。長きに渡ってソアラに憧れを抱き続けてきたチューナーならではの、行き届いた心配りであるとご理解いただきたい。

ホイールベースが長いソアラは、もともと高速ツーリング向けで、このマシンの方向性もそこにある。しかしLSDを追加したことにより、ドリフトが楽しめるほど過激な一面を併せ持っていることも見逃せない。ビルシュタインのショックアブソーバーや20mmダウンのオリジナルスプリング、そして中空スタビライザー、レカロシートを装着したことにより、しっかりと「スポーツ」出来るのだ。

ただし、あくまでもコンセプトは「アダルトなラグジュアリースポーツ」。エアロパーツをはじめとするエクステリアチューニングも、大人が乗って恥ずかしくない上質かつ気品を兼ね備えたデザインを主眼としている。

迫力満点のWテールマフラーが奏でるエキゾーストサウンドも、心なしか激しくも気高い音楽のように聴こえてはこないだろうか。頭の先からつま先まできっちりと完成されているのに、それを億尾にも出さず、謙虚なシルエットが醸し出す雰囲気には美しささえ感じる。

30歳を過ぎても忘れられないスポーツカーへの憧れはあるが、目を背けられない現実もある・・・

しかし、このソアラなら、それらの両立を可能に出来る。

週末のクルージングで疲れを癒すことが、何よりの楽しみ。
そんな大人の思考を持った貴方に乗って頂きたい1台だ。

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