
実用車として誕生したトヨタジープBJの直系子孫にあたり、84年に3B型ディーゼルエンジンを搭載したBJ70系が登場して以来、約20年間もスタイルを変えることなく絶大な支持を集め続け、多くのファンに惜しまれながら姿を消していった・・・ランドクルーザーとは、そんな伝説を残す一族きっての名車だ。
RVファクトリーの手によってカスタマイズされたこのランドクルーザー73は、70系の過度期にあった人気モデルHZJ73Vをベースとして開発。 ミドルベースにFRP製のシェルを被せた2ドアボディを乗せるHZJ73Vは、重量配分、運動性能の面で最も優れたバランスを誇るモデルでもある。
そんな逸材に与えられた心臓は、300psを発生する5727ccのLT1型ガソリンエンジン。
米国シボレーブランドのイメージリーダーでもあるコルベットに搭載された、ハイスペックなスポーツモデル用のエンジンだと言えば、素性もわかりやすいだろうか。
へヴィ級のランドクルーザーにガソリンエンジンを搭載する場合、低速トルクの太いエンジンに減速比の高いギアを組み合わせる方法と、高回転までスムーズに回るエンジンに低いギアを組み合わせる方法が考えられる。一般的には前者がスタンダードかつポピュラーな方法として人気を得ているが、RVファクトリーが迷わずに選んだカスタマイズの手法は後者だ。6000回転まで一気に吹け上がるスポーツカーのフィーリングを、ランドクルーザーの巨大なボディを通じて、余すところなく堪能するために。
ランドクルーザーのエンジンコンバージョンは、RVファクトリーの十八番。故にノウハウも豊富で、すべてに理を追求しているのが特徴だ。
超重量級の1HZディーゼルエンジンからの換装で、フロント軸の架重を大幅に削減。さらにマウント位置を低く後方へ設定し、ミッドシップに近いバランスも実現した。重いFRPシェルとも決別し、ソフトトップ化を図ったことで、ウィークポイントとなっていたフロントへヴィな重量バランスも50:50に近い理想的な数値を得るに至っている。このバランスの均整化が、オンロードやオフロードなどのステージを問わず優れた運動性能を発揮する要因のひとつになっていることは想像に難しくないだろう。
300psのビッグパワーを持て余すことなく路面へ伝達すべく、駆動系にはランドクルーザー80用のフルタイム4WDトランスファーと5速MTを移植。フロントサスペンションにリバースシャックルを採用することで、リーフリジッドサスペンションをは思えない程の高い直進性も獲得している。さらには、マッドドッグオーバーフェンダーで迫力を増したボディからもわかる通り、大幅なワイドトレッド化を図ることでコーナリング時の安定感も格段に向上させた。
悪路で真価を発揮するオフロードマシン・ランドクルーザー73に、これだけのスポーツマインドが隠されていること、誰が想像できるだろうか。もちろん、真髄であるクロスカントリーチューニングも軽視してはいない。それこそがRVファクトリーの原点であることを、忘れることができないからだ。
キープスラント製のアクティブサスペンションをベースに独自の味付けを行ったリアサスペンションは、70系最長のロングスパンリーフを採用するHZJ77よりも長いホイールトラベルを生み出した。深い凸凹が続くダートでもハイスピードで駆け抜けることを可能にした俊敏な路面追従性と、ハイパワーを高いレベルで融合させたハイブリッドマシンが、このランドクルーザー73なのだ。足元には315/75R16とアッパーサイズのタイヤを装着しているが、ファイナルギアの変更で最終減速比を4.875:1とし、発進加速の鋭さもキープ。 ブレーキまわりのグレードアップも同時に行い、確実なストッピングパワーも得ている。直線路や連続したタイトコーナーが不規則に現れる都市高速のような複合ステージでも、路面に張り付くスポーツカー然としたハイスピードランを、コイツは軽くやってのけるのだ。
無骨なスタイルのランクル70で、夢のようなポテンシャルを得たい・・・。
もっとも身近で現実的な貴方の「夢」を、このマシンなら叶えてくれる事ができそうだ。